アメリカにおける会社は州法の下に設立されます。従って、全米で同じ条件で会社の設立ができるのでなくそれぞれの州によって異なってきます。ただし、多くの州は「模範事業会社法(Model Business Corporation Act, MBCA)」を模範法として取り入れるか参考としているため、州ごとの共通性は高くなっています。
設立した州でなければ営業活動ができないかというとそうでなく、他の州でも行うことができます。その場合は、営業活動を行う設立州以外の州に「州外法人」(foreign corporation)を登録します。
「州外法人」に対して、設立した州内で営業活動を行う会社を「州内法人」(domestic corporation)といいます。限られた州内で営業活動を行う会社は、その州に設立することが望ましいでしょう。しかし、他の州に設立することもできます。
その場合、設立した州と営業活動を行う州の2箇所で税務申告を行うことになり、手続きが多少煩雑になります。全州で営業を行うような会社であれば、理論的にはどこの州に設立しても変わりはありません。
しかし、それらの会社の大多数は先進した州法を持ったデラウェア州を選択しています。なお、日本を含めたアメリカ以外の営業活動を主な目的として設立する場合は、基本的に自分が希望する州で設立すれば大きな違いはないと考えられるでしょう。現実的に日本人の多くは、優れた制定法を持ったデラウェア州およびハワイ州、ネバダ州を選択するケースが多くなっています。